米エヌビディアのジェンスン・フアン氏が愛してやまない「九州じゃんがららあめん」の“隠し味”とは

vol.130

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 11月号から新連載「飲食バカ一代!」がスタートしました。『dancyu』など専門誌にも寄稿するフード系ライターの松浦達也さんによる、有名飲食チェーン創業社長へのロングインタビューです。第1回は「すしざんまい」の木村清社長(株式会社喜代村)でした。

 インタビュー中、「サムシングニュー」というフレーズを何度も口にされた木村さん。安くて美味くてワクワクするような新しい何かを探し求めて、世界中を飛び回っているというその仕事ぶりをうかがいました。たとえば、近年ニシンや赤海老が寿司ネタとして身近になったのはなぜかご存じでしょうか。それも木村さんのアイディアが実現させたのです。詳しくはぜひ誌面をご覧いただきたいのですが、われわれ消費者にとっても身近な飲食チェーンの裏話ということもあって、第1回から大きな反響をいただきました。

 そして、12月号(11月10日発売、文藝春秋PLUSでは9日公開)の第2回は「九州じゃんがららあめん」の下川高士さん(株式会社タスグループ代表取締役社長)の登場です。

下川高士氏

 創業41年の九州じゃんがらは、最近ではインバウンド客が列を成す人気店として有名です。今をときめく半導体大手、米エヌビディアの創業者ジェンスン・フアンCEOがじゃんがらのファンだと公言したことの影響も大きく、来日時には赤坂店の行列に並び、「じゃんがら全部入り」を注文するのだそうです。

 しかし九州じゃんがらの店舗を訪れると、毛筆で書かれたような日本語の手書きのカードやポスターが店内のあちこちに貼り出されていて、国際色豊かというよりも、かなり「ドメドメ」な印象を受けます。「だいじょうぶ 勇気もってね」「夢をもとうよ」といった、まるで先生が子供たちにかけるようなメッセージ。これは下川さんがラーメンチェーンの社長である前に、“熱血先生”であることと大きな関係があります。

 

 実は、九州じゃんがらは経営難に陥った学習塾の副業として立ち上げられました。今でも同社は学習塾「ブルカン塾」を運営しています。熊本育ちの下川さんは、東京の大学を卒業した後に大企業に就職しましたが、夢を追い求めて仲間と学習塾を立ち上げたのです。しかしながら、なかなか経営はうまく行かず、副業をして凌ごうと考えました。

 下川青年はラーメンにおいては完全な素人でした。しかもお金もなかった。仲間3人でのアパート暮らし。毎日、塾で子供たちを教えながら、別に物件を借りて、ラーメンづくりを始めます。まさに豚骨との格闘です。そこにはワーク・ライフ・バランスという概念は存在しません。

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