『南海王国記』飯嶋和一/小学館
『最後の山』石川直樹/新潮社
『ムーア人による報告』レイラ・ララミ/白水社
飯嶋氏の歴史小説は発売されるといつも読んでいる。今回の『南海王国記』は7年ぶりの作品ということで、だいぶ待たされた。明代末から清代の初期にかけて活躍した鄭成功が主役の物語で、今回も登場人物の細部の動きが活写され、それが大きなうねりとなって歴史を動かしてゆくさまが見事に描かれている。
弱いものが、強く横暴で不条理な力に立ち向かって活躍するというカタルシスも存分にあり、物語を読む楽しさに没頭できる。清の大軍が台湾に押し寄せるくだりは、中台関係の未来を暗示しているようでもある。

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source : 文藝春秋 2026年1月号

