『人びとの社会戦争』益田肇/岩波書店
『食権力の現代史』藤原辰史/人文書院
『昭和百年への鎮魂』伊藤俊治/集英社新書
近現代史を俯瞰的に見る切り口を示した3冊を選んだ。
なぜ日本は戦争へと突き進んだのか。その問いに、普通の人々が何と戦い、どんな社会を求めていたかに着目することで答えようとするのが『人びとの社会戦争』だ。自在に引用される膨大な史料のひとつひとつが面白く、市井の人々の日記や、新聞・雑誌の投稿などからは、時代の体温が伝わってくる。
大正の半ばから満州事変勃発までの時期は、男らしさや女らしさをめぐる規範が揺らぎ、家族や共同体の従来のあり方が変化する「解放の時代」だった。これは世界的な現象だったが反発も大きく、人々の間に解放と引き締めを巡る対立が起きる。それぞれが自分たちにとっての理想の社会を求める「社会戦争」である。

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