『あずかりっ子』クレア・キーガン/早川書房
『世界99』村田沙耶香/集英社
『カズオ・イシグロ』秦邦生/三修社
クレア・キーガン著『あずかりっ子』は、1980年代のアイルランドの農村を舞台にした少女のひと夏の物語だ。厳しい生活を強いられる大所帯のなかで、両親の愛情を存分に受けられずにいた少女が、預けられた親戚夫婦のもとでケアされる/することを覚えていく。読み終えてすぐに読み直したくなるような小説に共通しているのは、一種の音楽性だろう。文章の細部にまでケアが行き届いていると、リピートで何度も聴きたくなる。四半世紀にわたるキャリアで5冊(約700ページ)と寡作な作家だが、キーガンの文章はすべて読むという読者も少なくない。鴻巣友季子による翻訳(カバー)も相性抜群だ。

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