「文芸ピープル 『好き』を仕事にする人々」著者・辛島デイヴィッドさんインタビュー

著者は語る

エンタメ 読書

 ここ数年、英語圏で日本文学の需要が高まっており、なかでも女性作家の作品が注目を集めているという。日本文学の英訳に携わる翻訳家、編集者、書店員、文芸イベント運営者といった「文芸ピープル」の声を聴き、英語圏における日本文学の現在を明らかにしたのが本書だ。

 著者の辛島氏は1979年「東京生まれ、埼玉育ち」で、イギリス人の父と日本人の母を持つ。日本のインターナショナル・スクールからアメリカの大学、イギリスの大学院へ進み、現在は早大准教授を務める。自身も金原ひとみ『蛇にピアス』などを翻訳している文芸ピープルの一人で、前著『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』では村上春樹が英語圏でどのように受容されてきたのか、丹念に取材している。

 辛島氏は日本の女性作家の躍進の背景に、英語圏のリテラリー・フィクション(日本の「純文学」に近い)分野で白人男性作家にかわり、女性作家が中心になりつつあることと、政治的な分断が進むことへ反発するリベラル層の中に「文学もアメリカ・ファーストだったのではないか」という機運が出てきたことを指摘する。そうした流れの中で、素晴らしい作品を書いている日本の女性作家へ注目が集まったのだ。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2021年7月号

genre : エンタメ 読書