1998年に株式会社サイバーエージェントを創業してから、2025年で28年目になります。

　ネットバブルの波に乗って、2000年に当時史上最年少の26歳で東証マザーズに上場して「時代の寵児」「ヒルズ族」などと、若手起業家として持ち上げられていた僕も、もう52歳です。

　創業当初とは比較にならないほど、事業内容も拡大しました。社の根幹であるインターネット広告事業に加え、インターネットTVのABEMAが開局10年目で事業黒字化を達成したほか、アニメやゲームなどのIP分野、そして4年前に大ヒットした「ウマ娘 プリティーダービー」を嚆矢として、社を挙げて力を入れているゲーム事業がいずれも柱となってくれて、創業以来28期連続増収を達成できています。

　サイバーエージェントは、「21世紀を代表する会社を創る」という目標をずっと掲げています。達成度を具体的な数値で表現することは基本的に避けていますが、まだまだ5％程度でしょうね。ソニーやホンダのように海外でも製品が当たり前のように使われている企業に比べたら、我々はドメスティックですから。

　そして、会社はまだまだ成長過程にありますが、僕自身は社長を退任し、会長に立場を変えます。

　次期社長を2026年に誕生させ、自分は会長に退くと社内で発表したのは2022年のことでした。当時、僕は50歳になる直前。ある日、中長期計画を話し合う会議で、10年後を想定した資料に「藤田晋（60）」と書かれているのを目にした時、交代を決意したんです。

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