著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、芦田多恵さん(ファッションデザイナー)です。
父は、心を震わせるものに出逢うと人に伝えずにはいられなかった。
「5分でも良いから、今すぐ来て!」
何事かと思って行ってみると、そこには目を輝かせる父がいて、
「この絵は素晴らしい! 多恵はどう思う?」
「技術は一生懸命勉強すれば身につく。それよりも感性を磨け」という考えの人だったから、デザイナーとして技術を教えてもらったことは驚くほどない。そのぶん、美術館やギャラリーにはよく連れて行ってくれた。感動すると胸いっぱいになって大騒ぎ。アクティブで、楽しくて子どものように純粋な人だった。
経営者としての父は「ガミガミオヤジ」。思いついたことはすぐに口に出し、やるとなれば周りを巻き込んで、ものすごいエネルギーと瞬発力で形にしていく。こういう時の父はまるで「台風の目」のようだった。
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source : 文藝春秋 2020年1月号