かくして「抗日・反日」映画が作られてゆく

中国が突いてくる日本の隙

広中 一成 近現代史研究者

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いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

「私たちは友だちじゃない」。

 これは2025年7月25日より中国で公開された南京事件(南京大虐殺)をテーマにした映画『南京照相館』(照相館は写真館のこと)で、主人公が友人のように接した日本兵に告げたことばだ。

 この作品は、南京で日本軍が「虐殺」をしている様子を写したネガフィルムを懸命に守った中国民衆の物語で、実話がもととなっている。実際に守られた「虐殺」写真は戦後中国側に戦争犯罪の証拠として採用され、これをもとに南京の軍事法廷で日本軍将校らが裁かれた。

 8月14日の『毎日新聞』の記事によると、映画の興行収入は、8月13日の時点で約23億元(約470億円)に達し、夏季に上映された歴史映画の記録を更新した。中国のSNS上では、映画を見て日本に対して怒りを表すコメントが数多く投稿されたという。

『南京照相館』の一場面 ©Collection ChristopheL via AFP

 もうひとつ、中国では満洲事変の発端となった柳条湖事件が起きた9月18日に、731部隊を題材にしたその名も『731』が公開された。731部隊とは、旧満洲(現中国東北部)に拠点があった関東軍の組織で、ワクチン開発や細菌兵器を開発するための人体実験を行っていたとされている。

 本映画では監獄に入れられた子どもを含む中国人男女が日本軍将校に引きずり出されたり、凄惨な生体実験の被験者にさせられたりする場面があり、ホラー的要素が強い。一方で、監獄の廊下を花魁が練り歩くという荒唐無稽なシーンもある。9月19日の『朝日新聞』の報道によると、公開初日夜の時点で、興行収入がすでに日本円で約50億円に達した。

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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

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