鳥貴族・大倉忠司 焼鳥の師匠の言葉にシビれてしまった

第6回

松浦 達也 ライター
ビジネス 企業 グルメ

「この人みたいな焼鳥屋になりたい」

 焼鳥チェーンとしてグループ店舗数1000超は国内随一。「鳥貴族」を運営するエターナルホスピタリティグループは、創業者・大倉忠司(66)が若かりし頃に行きつけだった小さな焼鳥店への憧れからスタートした。

「当時、僕は大阪ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル大阪)の中のイタリアンレストランに勤めていました。毎日終電で帰るような生活でしたが、仕事帰りに駅から自宅までの道すがらにあった焼鳥店に通うようになったんです。そこでマスターに惚れ込んでしまった。ホテルでのお客様に対する接客はかしこまったものでしたが、その焼鳥店はお客様との距離が近い。なんせカウンターとテーブルで14席ほどしかありませんでしたから。

『おう、これも食べとき!』と客が注文していない串をマスターは勝手に差し出し、客も喜んでその串を頬張る、そんな店でした。僕はそのマスターを師匠だと思うようになりました。

 ある日、その師匠から衝撃的な言葉を投げかけられたのです。それがきっかけで僕は洋食から焼鳥の世界へと飛び込みました。現在へと続く、焼鳥チェーンへの道のりの第一歩です。何でそんな思い切った決断をしてしまったのか、今でもよくわかりません(笑)。若気の至りだったのだと思いますが、僕の心にはズーンと響いたんですね」

大倉忠司氏 Ⓒ文藝春秋

 インタビューの間、大倉は師匠との思い出を楽しそうに回想し、コテコテの大阪弁の話しぶりを再現した。大倉の人生を大きく変えた“衝撃的な言葉”については後述する。

家はブリキ玩具の工場

 大倉は、1960(昭和35)年、現在の東大阪市に生まれた。長屋の一角にあった小さな家では両親がブリキ玩具の製造工場を営んでいた。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2026年4月号

genre : ビジネス 企業 グルメ