「この人みたいな焼鳥屋になりたい」
焼鳥チェーンとしてグループ店舗数1000超は国内随一。「鳥貴族」を運営するエターナルホスピタリティグループは、創業者・大倉忠司(66)が若かりし頃に行きつけだった小さな焼鳥店への憧れからスタートした。
「当時、僕は大阪ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル大阪)の中のイタリアンレストランに勤めていました。毎日終電で帰るような生活でしたが、仕事帰りに駅から自宅までの道すがらにあった焼鳥店に通うようになったんです。そこでマスターに惚れ込んでしまった。ホテルでのお客様に対する接客はかしこまったものでしたが、その焼鳥店はお客様との距離が近い。なんせカウンターとテーブルで14席ほどしかありませんでしたから。
『おう、これも食べとき!』と客が注文していない串をマスターは勝手に差し出し、客も喜んでその串を頬張る、そんな店でした。僕はそのマスターを師匠だと思うようになりました。
ある日、その師匠から衝撃的な言葉を投げかけられたのです。それがきっかけで僕は洋食から焼鳥の世界へと飛び込みました。現在へと続く、焼鳥チェーンへの道のりの第一歩です。何でそんな思い切った決断をしてしまったのか、今でもよくわかりません(笑)。若気の至りだったのだと思いますが、僕の心にはズーンと響いたんですね」

インタビューの間、大倉は師匠との思い出を楽しそうに回想し、コテコテの大阪弁の話しぶりを再現した。大倉の人生を大きく変えた“衝撃的な言葉”については後述する。
家はブリキ玩具の工場
大倉は、1960(昭和35)年、現在の東大阪市に生まれた。長屋の一角にあった小さな家では両親がブリキ玩具の製造工場を営んでいた。
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