いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
2026年に生誕100周年を迎えるエリザベス女王は、イギリス史上最長の70年に及ぶ在位を終えて、2022年9月に96歳の長寿で大往生を遂げた。明治初頭から始まった日英の皇室・王室の150年の歴史のなかで、女王はその半分近い期間にわたって、戦後の和解とさらなる両国の友好関係の進展に尽力してきたのである。
日英の皇室・王室の関係を象徴するものに、ガーター勲章がある。日本がイギリスと同盟を結び(1902年)、日露戦争で一定の勝利をつかむや、イギリスにとって最大の植民地インドの防衛に協力することが決まった。ここに、明治天皇にガーター勲章が贈られたのだ。本来キリスト教徒にのみ授与されてきたこの勲章を、非キリスト教徒で贈られるようになったのは、1906(明治39)年以降では日本の歴代天皇だけである。
しかし、1941年の日英開戦によって、それまで70年にわたって両国の皇室と王室が築いてきた親密な関係は崩れ去った。昭和天皇に授与されたガーター勲章も、開戦と同時にはく奪された。
このような状態に大きな風穴を開けたのがエリザベス女王(在位1952~2022年)であった。

はじまりは、女王の戴冠式(1953年6月)だった。この世紀の大典に、日本からは皇太子明仁(現在の上皇陛下)が招かれた。サンフランシスコ講和会議により、戦後の日本が国際政治に復帰してまだ1年余りでのできごとだった。
1960年代にはいると、日英双方の皇族・王族が相互訪問を繰り返すようになり、それは1971(昭和46)年の昭和天皇によるイギリス公式訪問で一つのクライマックスに達する。
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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

