介護をめぐる量と質の二重崩壊リスク

外国人は介護人材不足を解決する切り札となるのか?

甚野 博則 ノンフィクションライター

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いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

「この10年で介護の状況はひどくなるばかりです」

 近年、介護現場を取材していて、こうした言葉を耳にすることが増えた。介護人材の不足、職員の待遇の悪さ、過重な業務量、職場の人間関係の悪化――職員側から聞こえてくる声は尽きない。同時に、介護費用の高さや複雑な制度への戸惑い、劣悪な環境、スタッフによる虐待の恐れ、老老介護や介護離職など、利用者側からも多くの不満や不安の声が聞こえてくる。こうした声は年々大きくなるいっぽうで、とりわけ2026年は、「訪問介護の崩壊リスク」が大きな火種となって、介護業界に襲いかかるはずだ。

「訪問介護事業所のない自治体は、全国に約100町村程度存在いたします」

 福岡資麿・厚労大臣が会見でそう述べたのは25年4月11日のこと。さらに大臣は会見で、半年の間に事業所の存在が確認できなくなった町や村が10もあると続けた。現在、代替手当などで、なんとか訪問介護の利用継続を確保している状況だというが、すでに全国各地で介護の空白地帯が拡がる状況を見れば、訪問介護の足元は崩壊していると言っていい。

甚野博則氏 ©文藝春秋

 訪問介護が機能しなくなれば、事態はますます深刻になる。たとえば介護離職の増加だ。訪問介護の機能不全による介護負担が、家族にのしかかるためである。

「家族の介護のために仕事を辞める人をゼロにする」

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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

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