初代一条さゆり 誰も真似できなかった秘芸“溢れでる液体”

斎藤 智恵子 元ストリッパー

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「ストリップの女王」と呼ばれた初代一条(いちじょう)さゆり(本名・池田和子/1937?―1997)。「ローソク・ベッドショー」の秘芸、迫真の“特出し”サービスでストリップ界の大スターに。昭和47(1972)年、引退興行のさなか公然猥褻罪で検挙、娯楽か犯罪かを巡って論争を呼ぶ。服役後、あいりん地区に移り住み、居酒屋などを経営。元ストリッパーでロック座会長の斎藤智恵子(さいとうちえこ)氏が秘話を披露する。

 

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 私がストリッパーを引退する昭和37、8年頃、関西ストリップと呼ばれる露出度の高い“特出し”というスタイルが登場しました。秘所まで開帳するストリップはあっという間に全国に広がり、その第一人者として一条さんの名前は東日本のストリップ劇場までとどろいていました。関東では千葉や埼玉あたりの舞台に上がってました。当時のストリッパーのギャラは新人で日だてで2000円、私が4000円でしたが、一条さんは8000円はもらっていたでしょう。

初代一条さゆり ©文藝春秋

“特出し”が登場する前のストリップは、レコード一枚でステージが終わっていたんです。ですからワンコーラスで踊り、着物を脱ぐのがツーコーラス目。スリーコーラス目で腰巻きを繰りながらスッポンポンのオールヌードになるのが基本でした。そして時間つなぎに幕間のコントや軽演劇があったんです。でも、特出しの一条さんたちのステージはレコード3枚、つまり3曲を使ってストリップをやる。そのうち3曲目が特出しタイムというわけです。

 引退した私は仙台、次いで佐野市内のストリップ劇場を買取り、経営に乗り出しました。評判の一条さんを舞台に乗せようと思って、大阪市内の劇場まで足を運びました。私も経営者になりたてでしたから真剣に見ましたよ。なかなか日舞のうまい踊り子で、彼女の売りは「ローソク・ベッドショー」でした。

 一条さんは舞台に敷かれた布団に横たわっていました。枕元から取り出した真っ赤な太いローソクを逆さに持って高くかかげ、その滴りを胸を焦がさんばかりにたらたらと乳房から太股まで垂らしていきます。テープから流れるうめき声。のけぞった体に乱れた長い髪が舞い落ち、全身を汗まみれにしながら悶えるんです。

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source : 文藝春秋 1998年12月号

genre : エンタメ 芸能