【し】「車厘」何と読む?番組作る姿勢に感服

日本語探偵

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員
ニュース 社会
国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです。

【し】「車厘」何と読む?番組作る姿勢に感服

 テレビ東京で7月13日、「サンドウィッチマンの脱落テスト!」というクイズ特番が放送されました。2チームに分かれて漢字の知識を競う内容です。私は監修とVTR解説を担当しました。

 テレビ番組からは時々協力を頼まれますが、今回の番組で感服したのは、クイズ作家の方が問題の裏取りを厳密に行っていたことでした。たとえば、漢字の成り立ちに関する問題を作るにしても、少なくとも3、4種類の辞書にあることを条件にする、という具合でした。

 テレビなら当然だろう、と思われるかもしれません。でも、実際には、面白いけれど誤った説や、荒唐無稽な説によって問題を作る番組も多いのです。今回の制作側には、きちんとした根拠に基づこうとする姿勢がありました。

 番組中で最も印象に残ったのは、「車厘」の読みを問う問題です。こんな熟語は、私も見たことありませんでした。クイズ作家さんによると、「ゼリー」と読むそうです。この漢字を載せる現代の国語辞典は『大辞林』ぐらいしかありません。ただ、裏取り取材によって、明治時代前期の『訂増 英華字典』に載っているのは突き止めた、とのことでした。ネットにも出ていない情報であり、これはグッジョブです。

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source : 文藝春秋 2020年9月号

genre : ニュース 社会