サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します
今回の数字:ヘリウムの沸点=-269℃
「レアメタル」という言葉を、一時期ほど聞かなくなった。強力な磁石やLEDなどのハイテク製品製造に不可欠な稀少金属のことで、生産量が限られている上に、産地が中国などに偏っている。このため戦略物資として注目を集め、国際的な争奪戦が演じられた。ただしその後、他の元素を用いた代替技術や、製品からのレアメタル回収技術が進んだ他、新たな鉱山の開発などもあり、一時ほど切迫した事態ではなくなっている。
だが稀少元素は、金属ばかりではない。ヘリウムもまた、枯渇が心配されている資源だ。軽い気体であるため風船などに用いられる他、吸い込むと声が変わるパーティグッズなどとして馴染み深い。しかし産業界では、これらよりはるかに重要な用途が数多くある。沸点がマイナス269度のヘリウムは、超低温の実現に不可欠であるためだ。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2020年9月号