サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。
1億年前のホタルが放った光の波長=548nm
書店の児童書の棚を眺めていると、いつの時代も高い人気を誇るのは、やはり恐竜の本のようだ。その姿形もさることながら、遠い昔に滅んで、誰も真の姿を見ることができないというのもロマンをかきたてる。
そうした図鑑を手にとって驚くのは、そこに描かれている恐竜の復元図が、我々が子供の頃に見たものと、全く違っていることだ。ゴジラのように尻尾を地面につけて直立していたティラノサウルスは、今では体を地面に平行にした格好で二足歩行している。映画「ジュラシック・パーク」で、ゴツゴツの岩のように描かれていたヴェロキラプトルの体表には、実際にはふさふさとした羽毛が生えていて、翼さえあったのではという説も出てきた。
どうやってもわかりようがないと思われていた恐竜の色さえ、徐々に明らかになりつつある。たとえばアンキオルニスという鳥に似た恐竜は、赤いトサカに白黒縞模様の翼を、ミクロラプトルは玉虫色に輝く羽毛を持っていたと推定されている。灰色や茶色で描かれた地味な想像図を見てきた我々の世代には、ちょっと違和感のある姿だ。
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source : 文藝春秋 2021年3月号