1957年、ソ連は世界最初の人工衛星、スプートニクの打ち上げに成功した。先を越された米国は衝撃を受けた。ソ連のミサイル能力は米国より上を行っている、米国はこのミサイル・ギャップを埋めなければならない、そうしたミサイル・ギャップ論争が巻き起こった。
そのような逆転の衝撃が再び、米国に走っている。中国との間のデータ・ギャップが言われ始めている。グーグルやフェイスブックが、アリババやテンセントの後塵を拝する時代が来るかもしれない……先月、シリコン・バレーでここの投資家たちと食事をする機会があったが、彼らがそのような予感を抱き始めていることを知った。
グーグルの中国への再進出報道がそのきっかけとなっている。
グーグルは今世紀に入って中国に本格的に進出し、瞬く間にオンライン検索市場の36%を占めるまでの快進撃を続けた。中国当局は一貫してコンテンツの検閲をグーグルに強いたが、グーグルはこれに抵抗した。この間、グーグルは中国国内のハッカーの凄まじい攻撃を受けた。2010年、グーグルは中国市場から撤退した。
創業者のセルゲイ・ブリンは「グーグルは、全体主義の勢力には反対だ」と抗議した。中国からの撤退を最も強く支持したのは、グーグルの社員たちだったといわれる。
ところが、グーグルは中国に再び、進出する“ドラゴンフライ(Dragonfly)”事業を検討していると報道されている。
投資家たちは口々に言った。
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source : 文藝春秋 2018年11月号