野菜が美味しいレストラン

「文藝春秋」編集部
ライフ グルメ SDGs
食のジャンルの多様化とともに、日本ではまだ珍しい海外の野菜や個性的な野菜を栽培する生産者が増えて、料理の世界を広げている。そんな生産者とシェフたちの美味しい関係をご紹介しよう。/文・齊藤素子、写真・佐藤亘

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Arva (アルヴァ)、北山農園

アルヴァ カマス
 
カマスを巻いて低温で蒸した黄色ズッキーニに、帆立のムース入り花ズッキーニと美味が満載。野菜のバリエーションを魅せる、リストランテ「アルヴァ」のひと皿。6,325円

 ヴェネツィアでの13年を含む17年間、イタリアで経験を積んだ平木正和さんが帰国したのは約5年前。「アルヴァ」のシェフに就任し、イタリア伝統の料理を紹介したいと考えたが早々に壁にぶつかる。南北に細長いイタリアでは野菜が豊富で、ホワイトアスパラガスやアーティチョークといった季節の野菜に、トマトやバジリコなど味の要となる野菜も多用される。しかし日本ではどれも調達が難しく、味も薄く感じられた。

 その窮地を救ってくれたのが静岡の北山農園だ。自然のままに育てる有機栽培の野菜をはじめ、希少な野菜など栽培する。

「どれも生命力に溢れてイタリア野菜のように力強い。根を張る姿を見ると愛おしくて料理のイメージが湧いてきます」

 フェンネルの花やヤブガラシの葉や花、カンゾウの蕾、キクイモの根……。野菜を育てる平垣正明さんから説明を聞き、味見しながら畑を巡る。農園へ足を運べば新たな発見も多い。紫の花をつけた野菜を見つけ、

「これボラージネですね! 北のリグーリアで葉を炒めてリコッタと和えてラビオリに詰めたり、揚げたりしていました」

 北山農園から届く野菜は初めて見るものも多く、毎回ワクワクして楽しいと平木シェフ。店名のアルヴァはラテン語で“収穫”の意。生産者と繋がり、幅が広がったという彼の料理には収穫の喜びが溢れている。

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Arva アルヴァ
2018年のオープン以来、全国50カ所以上の生産者を訪ね、食材と向き合いその魅力を存分に引き出すイタリア料理を探求し続けている平木正和シェフ。食材を深く知ることで生まれた柔軟性と豊かなイメージで生み出される料理は、革新的でどこか懐かしく、魅了されるファンが多い。

東京都千代田区大手町1-5-6-33F アマン東京内
☎03-5224-3339 定休日:火曜、水曜
北山農園
土壌や空気、水に恵まれた富士山麓で、元カメラマンの平垣正明さんが妻・紀子さんと2人で営む小さなオーガニックファーム。主にシェフ向けに、野菜のさまざまな魅力や楽しみ方を提案し、絶大な支持を得ている。現在は、約200種類の野菜やハーブを栽培。
https://www.kitayama-farm.net/

野菜と真摯に向き合った洗練の料理 ARMANI/RISTORANTE)アルマーニ / リストランテ)

 カルミネ・アマランテシェフは伝統的なイタリア料理に着想を得ながら、想定外の料理を創り出す。日本の食材を深く理解し、形が不揃いで廃棄予定の野菜も情熱を持って調理。ロスフードの大根にサフランクリームを封じ込め、大根の新たな美味しさを見出した。

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source : 文藝春秋 2021年9月号

genre : ライフ グルメ SDGs