さくらももこ、石弘光、花柳寿南海、ニール・サイモン、上原まり

蓋棺録

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 漫画家でエッセイストのさくらももこ(本名・非公開)は、自らの少女時代をモデルにした作品で「国民的漫画家」と呼ばれた。

 1986(昭和61)年、少女漫画誌『りぼん』に連載が始まった『ちびまる子ちゃん』は一風変わった作品だった。自分の小学3年時代をエッセイのように描く絵日記のようで、主人公の周囲を見る目はシニックだが、それでいて長閑な雰囲気があった。

 65年、静岡県清水市(現・静岡市)に生まれる。実家は八百屋だった。幼稚園時代、お遊戯が嫌いで、父兄参観日には「こんな恥ずかしいもの見せられない」と思い「幼稚園から逃げた」。

 幼い時から少女漫画を読んでいたが、中学生のとき『ドカベン』にはまって、あきれた母親が全部捨ててしまった。清水西高校時代にラブコメ漫画を描いて漫画誌に投稿したものの、評価が低かったので、一時、漫画家はやめて落語家になろうかと迷う。

 しかし、外部テストで書いた作文の点数がよく、「エッセイ調で素晴らしい」「清少納言が現在に生まれ変わったよう」との評が付されていた。感激して自宅でシャワーを浴びているとき「エッセイを漫画で描いたらどうだろう」と閃(ひらめ)いたという。

 静岡英和女学院短期大学(現・静岡英和学院大学短期大学部)に在学中の84年、『りぼんオリジナル』冬の号掲載の「教えてやるんだありがたく思え!」でデビュー。86年、上京して出版社の営業課に勤め、『りぼん』同年8月号から『ちびまる子ちゃん』の連載を始めた。

 最初は『りぼん』の読者たちに限られていたが、すぐに評判になって広い読者を獲得する。90(平成2)年にはフジテレビ系でアニメの放映が始まって「ちびまる子ちゃんブーム」が沸き起こった。

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source : 文藝春秋 2018年11月号

genre : エンタメ 芸能