東京都文京区 東京大学バーチャルリアリティ教育研究センターにて
(撮影・杉山秀樹)
(右から)
建築家
隈研吾
東京大学名誉教授
廣瀬通孝
隈君とは、中学以来、ずいぶん長いこと同じ学校にいたことになる。中学高校の頃、2人とも美術の時間が好きだったことを思い出す。画風は廣瀬の漫画に対し、彼のはすでに芸術だった。何となく現在の専門の色分けが当時から窺えるのは面白い。大学入学後、彼は迷わず建築を志したが、廣瀬はやや迷走ののちVR(バーチャルリアリティ)の世界に踏み込んだ。
隈君との接点が多くなるのは、卒業後かなりの時間が経って、彼が愛知万博の基本計画をまかされた頃からである。当時よちよち歩きのVRに建築家からお声がかかろうとは思ってもみなかった。
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source : 文藝春秋 2021年12月号