日本は決して穏やかに生きられぬ国である。場所のせいだ。ロシアと中国がすぐ隣で、何かと角が立ちやすい。領土問題が何よりの証拠だ。東側には太平洋を挟んで米国がある。米国を意識しないでいられた19世紀までは、極東の島国としていざというときは鎖国でもすれば何とかなったが、百数十年前の黒船来航以来、そうも行かなくなった。
そこで張り合おうとしはじめたのだが、相手は世界的大国ばかりである。どんなに日本が力を付けても、どうしても足りない。頑張ってもやられてしまう。
それでもやるか、やられるか。誤魔化して試行錯誤して耐え忍ぶか。この国の生きざまは、どうしても不安定にならざるを得ない。
この100年の日本の名著は何かと考えれば、そういう不安定さを、何らかの意味で刻印した本ばかりが思い浮かぶ。
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source : 文藝春秋 2022年1月号