ブレる石破を支える森山のジレンマ〈赤坂太郎 特別編〉

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高額療養費で迷走し商品券でオウンゴール

 少数与党にもかかわらず、いがみ合う野党を分断して、低空安定軌道に乗ったかのように見えた首相の石破茂だったが、さにあらず。3月3日に開いた自民党衆院当選一回生との夕食会に先立ち、1人当たり10万円相当の商品券を秘書が配っていた事実が発覚。まさかのオウンゴールで、世間からの支持を急速に失った。

 だが、発覚直後、石破の反応は世間の常識とかけ離れていた。

「議員にだけごちそうするのも悪いから、ご家族やスタッフにもこれで何か(買ってあげてください)っていうことがそんなに悪いことか? 実にくだらんね。アホらしい。自分の気持ちとしては、もっとあげても良かったくらいだけど、そうもいかんし……。どうせ明日は各社大々的に報道するんだろ。もう好きにしてくれ」

 3月13日午後8時過ぎ、共同通信に続いて朝日新聞もネットで商品券問題を報じたと秘書官から聞いた石破は、憤りを周囲にぶちまけた。東京・紀尾井町のホテルニューオータニの宴会場で開かれた、2012年衆院選初当選組の懇親会に出席していたところだったが、1時間弱で会場を後にして公邸へ戻った。小泉進次郎から電話で「今日中に取材に応じた方がいいですよ」と促され、深夜11時20分過ぎから報道各社のインタビューを受けた。

 その直前、石破は公明党代表の斉藤鉄夫に電話で説明して詫びた。

「大変ご迷惑をかけて申し訳ありません。法律には一切触れていません。初当選の議員にご苦労さまと。そして、ご家族の方を激励してあげて、という趣旨でした」

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source : 文藝春秋 2025年5月号

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