ちょうど100年前、世界は「スペイン風邪」の猛威にさらされ、多くの死者を出した。1920年代の世界思想は、第1次世界大戦とスペイン風邪という悪夢をどう乗り越えるかという課題と密着していた。1925年に出版されたモース『贈与論』は、非ヨーロッパ世界における贈与や交換のシステムを探究し、近代資本主義の疲弊を乗り越える道を模索した。本書の第4章「結論」は、協同組合の可能性へと発展する。
近年、繰り返されるウイルス危機は、グローバル企業による農業・畜産ビジネスが森林破壊を繰り返し、人間と野生動物の距離が縮まったことに要因がある。今後百年を考える視座は、すでに約100年前の『贈与論』に示されているのではないか。
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source : 文藝春秋 2022年1月号