100年後の日本人が昭和の時代を知ろうとしたら、どのような作品を手に取るだろうか。そんな視点で思い入れのある3冊を選んだ。
『金閣寺』は、終戦直後の鬱屈した社会を背景に、マイノリティ(吃音者)の主人公が美にとらわれ、狂気へと堕ちていく様が美しく硬質な日本語で描かれる。
『1973年のピンボール』は、高度成長期の日本社会の孤独と華やかさをスタイリッシュな文体で提示して、日本だけでなくアジアの若者に大きな影響を与えた。
『ポーの一族』は大学生のときに読んで強い衝撃を受けた作品。日本の少女マンガの最高峰であるだけでなく、グローバル化の時代であれば、『ハリー・ポッター』を凌ぐ評価を得たのではないか。
以下は、100年後に「古典」として読まれているであろう3冊。
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source : 文藝春秋 2022年1月号