創価学会を新宗教の一大勢力に押し上げたのは、名誉会長の池田大作(93)だ。強引な布教に批判もあった中興の祖の功罪を、宗教学者の島薗進氏が読み解く。
![島薗進](https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/a/e/1600wm/img_ae98d01ceaee01ba0398683b2ce0a2d76922.jpg)
島薗氏
創価学会の池田大作第3代会長(1979年からは名誉会長)は60年、32歳で会長となってから半世紀余り、この仏教教団を指導して来た。日本最大の教団に成長した創価学会の結束力は強固だが、それは池田が多数の会員(信徒)から絶大な信頼を得てきたことによる。
池田時代の創価学会は2つの大きな葛藤を経験した。1つは、公明党が宗教教団の意思にそって政治に関わることへの批判だが、90年代後半に公明党が自民党と連携することで、その後、困難が回避されている。しかしそれによって、従来の宗教思想、とりわけ平和主義が歪められたのではないかとの批判を受けている。池田自身はこの変化を望んでいなかったと信じる人も教団内外にいる。
![池田大作](https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/1600wm/img_4b8be629cc95d32f8ffd6472244b136f61883.png)
池田大作
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source : 文藝春秋 2022年1月号