日本人初の国連難民高等弁務官を務め、人道支援に尽力した緒方貞子(1927~2019)。いま国連で活躍する中満泉氏は、緒方のエネルギー溢れる姿に驚いたという。
中満氏
「今度、高等弁務官に来る人、名前も聞いたことがない。実績もない人を選ぶなんて、困ったものだね」
1991年、緒方さんが高等弁務官に着任された頃、若い同僚たちとの間でこんな話が出るほど、彼女は無名に近い存在でした。
しかし、その評価はすぐに一変します。当時は第1次湾岸戦争が起きており、緒方さんは、従来の方針を転換し、厳密にはイラクの国境を出ていないクルド人も難民に準じて保護するという決断を下されます。ここから、それ以前とは大きく異なる緊急人道支援活動が始まるのです。
緒方貞子
その頃、トルコのアンカラに勤務していた私は、現場視察にいらした緒方さんと初めてお会いしました。全く威張らずチャーミングな感じなのに、臆することなく色んな質問をして、次々と新しい案を出してくる。とても新鮮な印象を受けました。
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source : 文藝春秋 2022年1月号