イブプロフェンの薬価

数字の科学

佐藤 健太郎 サイエンスライター
ビジネス サイエンス 医療
サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。

イブプロフェンの薬価=5.1円

 食品や日用品など、身近な製品の値上げが相次いでいる。発売以来42年間、1本10円であった菓子「うまい棒」もついに2円値上げとなり、これは海外のニュースでも報道された。

 だがそんな中、価格が下がり続けているものもある。医療用医薬品だ。ドラッグストアなどで売られている一般用医薬品と異なり、医療用医薬品はメーカーが自身で価格を決めることができず、厚生労働省が定めるところとなっている。薬価はこれまで2年に1度改定され、そのたび多くの医薬の薬価が引き下げられてきたが、2021年度からは毎年改定となった。

 こうまで薬価を引き下げにかかるのは、医療費抑制という大義があるためだ。たとえば鎮痛剤イブプロフェン後発品の薬価は1錠5.1円まで下がっている。原材料費や電気代は高騰し、求められる品質は向上しているのに、うまい棒の半分以下の価格で薬を作らねばならないのだから、メーカーとしてはたまったものではない。こうした環境下で、いくつかのメーカーがジェネリック医薬生産から撤退した。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2022年8月号

genre : ビジネス サイエンス 医療