「電池を制するものが電動を制する」
先月号で、そのようなことを記した。
どういうことなのか。もう少し詳しく見てみよう。
電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド(PHV)やハイブリッド(HV)の中核部品であるリチウムイオン電池は1991年、ソニーが世界に先駆け、実用化した。この分野は、数年前まで日本企業が世界の過半のシェアを占めていた。それがいまでは、中国が世界の市場の6割を制し、日本は2割強、韓国も1割弱へと後退している。
中国では、寧徳時代新能源科技(CATL)やBYDをはじめ、全国に200社ほどの電池メーカーがひしめいている。
中国政府はEV振興を国家戦略の柱と位置づけ、EVなどの新エネルギー車を2020年までに500万台普及させる目標を掲げている。中国では、政府が市場に与える政策シグナルが明確である。というより戦略産業に関しては政府と企業が一体となって、政府補助金と規制(販売台数設定など)によって需要と市場をつくっていく。
中国の電池メーカーはいま、設備増強に向けて大躍進のただなかにある。CATLは、2020年までに世界需要の2倍近い年50ギガ(ギガは10億)ワット時の生産能力を保有すると宣言した。
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source : 文藝春秋 2018年04月号