13度日本一になった男が明かす“勝つ”秘訣(取材・文・田尻耕太郎)
監督就任3年目の昨年は、2度目の日本一を達成することが出来ました。選手たちの頑張りには、本当に感謝しています。
今シーズンの我が福岡ソフトバンクホークスのスローガンは、日本一を奪回した昨年の「1ダホー!(ワンダホー)」から「1」の数字を継承し、「もう1頂!(もういっちょ)」としました。以前は球団と話し合い、いくつかの候補の中から僕が選ぶ形でしたが、今年は僕のほぼ独断で決めさせてもらいました。
周りの人たちはよく、「連覇だ」「2年連続優勝だ」と言いますが、僕はそう考えていません。去年は去年、今年は今年。栄光は過去のことです。チャレンジャーの気持ちで、もう一度みんなで力を合わせて、一つになって頂点を獲りに行く。その思いを込めたスローガンです。
一昨年は、僕の野球人生の中でも一番と言っていいほど悔しい思いをしました。一時は11.5ゲーム差を付けて首位に立ちながら、最後は日本ハムファイターズに逆転されてしまった。シーズンの後半、僕と選手たちの間にズレがあるな、と感じたこともありました。
ある主力選手の一言
しかし、優勝を逃した直後に福岡で行った秋季練習でのこと。ある主力選手に、「優勝できなかったのだから、秋のキャンプは全員で宮崎に行くべきなんじゃないですか?」と言われたんです。通常、秋は2月のキャンプとは違い若手主体で行います。ベテランや主力は長丁場のシーズンを戦った疲れもあるし、ある程度は自分たちで考えて出来るだろうと、自主性に任せるのが一般的です。この年もその予定でした。
でも、選手の方から「やりたい」と、率直な意見を言葉にしてくれた。嬉しかったですね。あれが翌年に向けた希望の言葉になったし、僕自身も救われた気がしました。こういう時こそチームが一丸になってやらないとダメだと思い、「分かった。言ってくれてありがとう」と話をしました。そして望みどおり(笑)、全選手に22日間、ハードなトレーニングをして貰いました。
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source : 文藝春秋 2018年03月号