トヨタ「章男親衛隊内閣」発足、商社人事を占う、楽天に怯える携帯3社、モラルなきネット企業

丸の内コンフィデンシャル

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★章男親衛隊内閣発足

 トヨタ自動車(豊田章男社長)が昨年11月に発表した人事が話題だ。役員人事は4月の発表が慣例。それが前倒しされたことも注目ではあるが、「最大のポイントはデンソーの小林耕士副会長がトヨタに副社長として復帰する人事だ」とトヨタ幹部は言う。

 小林氏はトヨタで役員になることなく、部長職を最後にデンソー(有馬浩二社長)へ転出した人物。その昔、財務部と国内営業で章男氏の上司を務めていたことがあり、「章男氏を御曹司扱いせず、ずけずけと物を言ったため、かえって章男氏が信頼を置くようになった」(同社OB)。

 数年前からトヨタの渉外機能が低下していることを危惧した章男氏が、その役回りを小林氏に委任。小林氏は政財界の要人などと積極的に会い、「微妙だった安倍晋三内閣との関係も雪解けが進んだ」(同社関係者)。その功績が認められ、昨年4月にトヨタ相談役に就任。今年1月からは相談役という裏方から表舞台に出て、CRO(最高危機管理責任者)とCFO(最高財務責任者)という肩書を持つことに。だが、あるグループ会社首脳は「章男氏の威光をバックに奇跡の復活を遂げただけ。そもそも御年69歳の人物が復帰するなんてありえない」と語る。

 もう一つの注目人事は、友山茂樹専務役員の副社長昇格だ。1991年に当時係長だった章男氏と出会ってから、ディーラーへのトヨタ生産方式の導入などを進めた人物。2007年には副社長だった章男氏と共に、ドイツでニュルブルクリンク24時間レースに参加するなど、「章男氏の子分として常に行動を共にしている」(前出・幹部)。ただ経営手腕には首をかしげる向きも多い。2011年に情報事業本部長に就任したが、目立った成果は上がっていない。

「結局、章男社長の覚えめでたいかどうかが、出世をする上で最も重要な要素。百歩譲って『人事とはそういうものだ』としても、有能な人材が次々と外にだされているのは見過ごせない」(別の幹部)。

「100年に1度の変革期を迎えている」とは章男氏の口癖だが、果たして激動期をお友達内閣で乗り切れるのか。

★商社人事を占う

 三菱商事(垣内威彦社長)を除く総合商社4社で、トップや主要役員の異動が囁かれている。

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source : 文藝春秋 2018年02月号

genre : ビジネス 企業