トランプ政権の誕生後、米国は戦後、果たしてきた「自由で開かれた国際協調主義」(リベラル・インターナショナル・オーダー=LIO)を守る役割を放棄してしまったように振舞っている。
・NAFTAの改悪交渉をメキシコとカナダに無理強いする。
・TPPには2度と用がないとわざわざ念を押す。
・G7やG20の場では、「保護主義に反対する」という文言を声明に入れることに反対する。
・貿易交渉は2国間主義を旨とし、多角的交渉には応じようとしない。
・欧州の同盟国に対する相互防衛義務の遵守をあえて明言しない。
「グローバリストたちが、米国の勤労階級をつぶし、アジアの中産階級をつくったのだ」と言ってはばからないのは、トランプの政策顧問であるスティーブ・バノンである。
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source : 文藝春秋 2017年07月号