このほどシンガポールで開かれた安保会議シャングリラ・ダイアログで、マティス米国防長官は「他にどうにも打つ手がなくなったとき、最後にちゃんとやってくれるのは米国だ」とのチャーチルの言葉を引用しつつ、「一緒に踏ん張っていきましょう(Bear with us.)」と訴えた。
しかし東南アジアの人々の受け止め方は冷ややかだった。会合後にスピーチしたシンガポールの国防相は、トランプ政権のTPP脱退を非難した。
「それに比べて、中国はアジア太平洋においては貿易促進のリーダーとして前進のペダルを力強く踏んでいる」
と中国を礼賛した。中国の南シナ海の軍事化については一切、言及なしである。
トランプ政権はTPPから一方的に脱退し、貿易交渉では二国間主義に急傾斜している。多角主義の原則を大切にするアセアンは懸念を強めている。
それに何よりも、アジア太平洋における安全保障面での米国のコミットメントが不確かになってきた。
これまでアセアン諸国の多くは、経済では中国を頼みとし、安全保障では米国を頼りにする姿勢を取って来た。
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source : 文藝春秋 2017年08月号