若者は口々に「新しい政治を」と叫んだ
二強とされた進歩派の「共に民主党」文在寅(ムンジェイン)候補(64)と、中道に近い進歩派「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)候補(55)の争いは、土壇場まで勝敗が読めなかった。
朴槿恵(パククネ)前大統領が弾劾、罷免されたことにより保守派の力が削がれ、定番とされてきた「保守対進歩」ではなく、「進歩対中道に近い進歩」という初めての枠組みでの闘い。さらに、主要候補の2人はともに韓国南東部の慶尚南道出身である。地域間の対立になることが定番だった過去とは異なる選挙戦が繰り広げられた。
この原稿を書いているのは4月末、激しい攻防が続く大統領選挙戦のまっただ中だ。食堂でも地下鉄の中でも大統領選談義が聞こえてくる。
ともに進歩派の両氏は支持層がかぶっており、進歩派の牙城、韓国南西部の全羅南道の光州市では当初、安氏が猛追していた。そのため、文氏は受け継いでいた基盤のさらなる地固めを、安氏はアンチ文氏の保守派の票の取り込みに必死だった。
選挙戦の序盤は、保守派と進歩派の牙城崩しから幕を開けた。選挙活動の解禁日に文氏が真っ先に向かったのは、保守派の票田で朴前大統領のお膝元・大邱市だ。
大邱はソウルから韓国の新幹線KTXで約2時間。人口250万人あまりの韓国第4の都市だ。文氏が大邱を訪れたその日は、春雨がしとしとと降っていた。
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source : 文藝春秋 2017年06月号