“魔女狩り”のようなバッシングはこの国の病理だ
1970年代からの韓国ウオッチャーにとって、内外を騒がせている「崔順実スキャンダル」による朴槿恵大統領の退陣と没落は気が重い。韓国はまだそんなことをやっているのかという、韓国社会の実情に対する「やれやれ……」といった思いと同時に、彼女が大統領になるに際して個人的にかなりヨイショしたという経緯があるからだ。
「水に落ちた犬は打て!」だろうか、韓国社会はいま、まるで“魔女狩り”のような朴槿恵バッシングの嵐が吹き荒れている。彼女のスカートの中をのぞくような話が韓国マスコミには乱舞しているが、われわれ日本人がことさらそれに便乗することはない。そこで韓国の今回の事態を少し冷静に考え、伝えておきたいと思う。
まず、過去、彼女を持ち上げたことについて書いておく。
朴槿恵弾劾で今年の年末に予定されていた大統領選挙は前倒しになりそうだが、前回2012年の大統領選は野党、革新系の文在寅候補と保守系の朴槿恵候補の接戦だった。朴槿恵が与党候補になったのは、保守サイドにこれといった候補がおらず、知名度と年輩層に人気のあった彼女以外では、野党候補には勝てないという事情があったからだ。
そこで筆者は韓国でも日本でも、「次は朴槿恵しかない」と、記事や講演など公的な場でも私的な会話でも、彼女を支持した。北朝鮮には宥和的なうえ反日的だった野党の文在寅では日本は困ると思ったのだ。
朴槿恵選択に関してはもう1つ、日本との国交正常化(1965年)を決断し、日本の支援、協力によって国を発展させた朴正熙・元大統領の娘という、日本との“ゆかり”があったからだ。日本人として彼女への支持は父への評価でもあった。
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source : 文藝春秋 2017年02月号