80年代以降に生まれた7人に連続インタビュー
9月に行われた天皇の「生前退位」をめぐる世論調査。朝日新聞では91パーセント、毎日新聞でも84パーセントが賛成で、他紙をみても、おおむね8割以上が生前退位に賛成という結果となった。国民の大半は天皇の意向を酌み、生前退位を許容すべきと考えているということがうかがえた。
即位以来、天皇皇后両陛下は地震や津波などの自然災害被災地への慰問、先の大戦の慰霊の旅など、積極的に各地を訪問。昭和天皇とは異なる新たな天皇像を築いていった。その歩みを少なからぬ国民が理解してきたからこそ、8月に公表された「お気持ち」には深い共感が広がったのだろう。
だが、この国民的議論の中でなかなか見えてこなかったのが、2、30代といった若い世代の反応だ。
いまや平成元年生まれでも27歳だ。天皇の存在を意識できるのが小学生だとすれば、2、30代の大半は、今上天皇しか知らない世代である。そんな若い世代に天皇はどのような存在として映っているのか。
今後、生前退位の議論が進む中、憲法1条が記す「国民の総意に基く」天皇のあり方を考えるなら、次代を担う若い世代の天皇観を理解することも重要なはずだ。そこで、即位のときに8〜9歳だった1980(昭和55)年生まれの36歳を上限として、20代、30代の各界の若手識者や実務家7人に、彼らにとっての天皇とはどんな存在なのかを尋ねてみることにした。
古谷経衡 文筆家、1982年生まれ
ネット上での言論に詳しい古谷経衡(つねひら)氏(34)は、「反米保守」を掲げ、左右にとらわれない評論活動を行っている。
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source : 文藝春秋 2017年01月号