巨人軍をダメにした暗黒史

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繰り返される甘い処分……歴代コミッショナーは猛省せよ

渡邉恒雄氏 ©時事通信社

 あまりに甘い処分だと言わざるを得ない。

 3月22日、日本野球機構(NPB)の熊﨑勝彦コミッショナーは、野球賭博に関与した読売巨人軍の高木京介選手を、1年間の失格処分とする裁定を下した。同時に巨人に対して制裁金500万円を命じた。

 一連の野球賭博で処分を受けた巨人の3選手は無期失格処分。その差は、高木選手が8、9試合に賭けたのみで、その後自ら賭博を断ったからだという。しかし、ほかの3選手も賭けたと認定されたのは10から20試合程度。巨人は高木選手を解雇したが、1年後には野球界に復帰できる可能性がある。チーム内での賭博が問題視された後も事実を隠していた選手の方が、処分が軽くなるようなことがあってよいのか。

 高木選手が泣きながら賭博を告白した会見に対して、「心に響いた」と熊﨑コミッショナーが語っていたため、ある程度軽い裁定が下るだろうなと予想はしていた。とはいえ、こんな処分で済んでいいはずがない。巨人の4選手が行なった野球賭博は、プロ野球史でも稀に見る大スキャンダルだ。

 すべては、昨年10月5日、読売巨人軍の福田聡志選手の関与が発覚したことから始まった。福田選手はチームメイトに紹介された知人に誘われ、巨人戦を含むプロ野球、高校野球、メジャーリーグなどを対象とした賭博を行なっていた。

 熊﨑コミッショナーは、調査を機構内の調査委員会に委嘱。芋づる式に事件が発覚する。半月後には、福田選手と同じく巨人の笠原将生選手と松本竜也選手も、野球賭博に関わっていたとの中間報告を発表した。これを受けて11月9日、巨人は3選手との契約を解除。原沢敦球団代表が監督責任を取り、引責辞任することとなった。熊﨑コミッショナーも3選手に対し無期失格処分の裁定を下した。

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source : 文藝春秋 2016年05月号

genre : ニュース スポーツ