16種類にもおよぶ「終の棲家」。だが選ぶための基準は限られている
理想の終の棲家とは
今年九月の総務省の発表によれば、六五歳以上の高齢者人口は過去最高の三一八六万人となり、高齢化率は二五%に達した。約四人に一人は六五歳以上。団塊世代も六五歳を超えつつあり、本格的な超高齢社会が到来した。
こうした中でますます重要性を増しているのが高齢者の住まいの問題だ。
心身ともに健康であれば、いままでの住まいで暮らし続けたいと誰もが思う。だが、転倒や病気などをきっかけに、突然、従前の生活が送れなくなるケースは少なくない。
起き上がるのがつらい、歩行に困難が生じる、物忘れがひどくなって自宅での生活に不安がある……こうした局面で突如現れるのが高齢者向けの住まいに移るかどうかという問題だ。
では、高齢者向けの住まいがどうなっているか、正確に理解している人はどれだけいるだろうか。雑誌や関連書を開くと、いくつもの種類が並ぶ。
業界用語で「特定施設」とも呼ばれ、高額な一時金が必要な「有料老人ホーム」、認知症の人が集団生活を営む「グループホーム」、負担がやや軽いために軽費老人ホームとも呼ばれる「ケアハウス」。そのほかにも「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「特別養護老人ホーム」……。
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source : 文藝春秋 2014年01月号