評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
新型コロナウイルスの感染拡大は経済に悪影響を及ぼしているが、中でも深刻なのが航空業界だ。各国で移動が制限された結果、世界各地で運航された航空便は4月上旬時点で昨年比約8割減。当然、巨額の収益減が予想される。
今後、航空業界はどうなってゆくのか。未来を占うにはその実態を知る必要がある。渋武容(しぶたけひろし)『日本の航空産業』(中公新書)では、第2次大戦後に旅客機開発にしのぎを削るようになった世界の航空産業の動向や、航空機開発が禁じられた占領期の逆境からスタートして国産機YS-11を生み出し、今は地域の航空需要に応えるリージョナルジェットの開発に挑戦中の日本の航空産業が紹介される。
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source : 文藝春秋 2020年7月号