2つの恐怖
8月号の『東京五輪までに「ワクチン」はできない』で、本庶佑先生が新型コロナのワクチン開発の難しさを指摘されていた。
最近、私は次の2点においてコロナ禍の恐ろしさを思っている。
ひとつは「絶望感」だ。
私たちは、物事には終わりがあるものだと思っている。だから、緊急事態宣言が解除されたときには、漸くコロナ禍も終息の兆しが見えたか、と少し安心したのだった。
ところが7月になり、再び東京を中心に感染者数が急速に増え始めた。
最初は、人々の往来が増えたことによる必然と思っていた。しかし本庶先生は、ウイルスの遺伝子の変異により、仮にワクチンが完成しても一部のウイルスにしか効かなくなっていることもあり得ると指摘する。
一方で、ワクチンどころか治療薬の方も、アビガンの効果が十分には立証されず、全く楽観できる状況ではないことがわかってきた。コロナウイルスは、私たちが思っていたよりも遥かに厄介な代物だということが明らかになってきているのだ。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2020年9月号