あの頃の息苦しさ
9月号に掲載された尾﨑治夫氏による『安倍政権「無為無策」が日本を壊す』を興味深く読んだ。コロナ専門病院をつくるという提案に全面的に賛成する。コロナ治療の役割を都立・公社病院に集中的に担わせ、一般病院に余力をもたせることで医療崩壊を防ぐという。
税金はこのようにまとめて使われるべきだと改めて思う。私は都民ではないが、ぜひ実現させてほしい。
今、新型コロナの流行で死の恐怖が日本全土を覆い、人びとは不安の真っただ中にいる。感染は仕方がないとしても、治療の機会が奪われてしまうというのは悲しすぎる。最も重要なのは、医療崩壊を避けることにちがいない。
ところで、世の中が息苦しくなってきた。感染リスクに怯えるあまり、不注意に見える行動を取る人に怒りが爆発する。「自粛警察」と呼ばれる動きもある。なんだか戦時中の空気と重なってくる。
あの頃も世の中には自粛があふれていて、婦人会や隣組が公然と人々を監視していた。情報も統制されていて、みな判断力を失い、一色に染められてしまった。この過去を重く受け止めたい。
感染拡大を防ぐためには自粛要請もやむを得ないのはたしかだ。そしてそこから個人の判断で行動するしかないのだろう。
リーダーたちは、情報を公開し具体的な政策を丁寧に説明して国民の理解を得なければならない。(市東和夫)
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source : 文藝春秋 2020年10月号