解散権の制限を
8月28日に安倍首相が辞任表明。本誌10月号の発売日が9月10日、「緊急特集・安倍退陣の衝撃」が掲載された。3候補のインタビューの後は、『二階俊博 その男、面妖につき』であった。毎号楽しみにしている赤坂太郎氏『麻生×菅×二階「暗闘の全内幕」』を読み、自民党内の哲学に大きな嫌悪感を覚えた。
『新政権は衆院を解散、10月25日投開票へ進むとみられる。だが、国民の信を得られるのか』と結んでいる。新型コロナの感染防止と経済立て直しが急務の中で、「政治の空白」を生まないために党員投票を避けて新総裁を選出したのに、なぜ解散なのか? 政権を続けるのに有利だと思うタイミングで解散することもあるが、菅首相は縦割り行政の改革で“仕事をしたい”と言っている。しかし、マスコミの話題は衆院解散・総選挙である。自民党は安倍政権の継承で菅総裁、野党は合流して立憲民主党で枝野代表が選出され、幹事長・国対委員長はともに変わらない。自民党総裁任期は来年の9月、衆院議員の任期満了は来年10月であり、まさに臨戦態勢は続く。
千年振りの東日本大震災、百年振りのパンデミック、甚大災害地域が拡大している日本。まずはこの国難を乗り切ることである。菅政権はコロナ禍で真価が問われるが、任期満了で選挙を行い、ワンポイントリリーフで終わってはならない。解散権の制限を含めて憲法改正も成し遂げ、新しい国の姿を拝みたい。(安達忠司)
エンパシー
10月号「有働由美子のマイフェアパーソン」、対談のお相手はブレイディみかこさんで、大変おもしろく読ませていただきました。2人の息がぴったりで、内容もどんどん深いところまで進み、読んでいて新鮮でした。
「今死んでも後悔はないと思って生きているんです。別にライター業はあと1〜2年でもいいし、仕事が来なくなったら、また保育士になります。それも楽しいと思うし」。ブレイディさんの生き方、格好いい。
こんな発言ができること自体、すごい人なのだと思います。私などは死ぬことが怖いと思っていて、少しでも長生きがしたいから大きな挑戦もできないし、夫や自分の仕事が無くなったらどうしようという不安もあります。それが実は、長い人生においてはちっぽけなことなんだ、と教えられた気がします。ブレイディさん、さすがです。
シンパシーとエンパシーの違いも話題になっていました。「同情・共感」のシンパシーと、「他者理解」のエンパシー。どちらも大切ですが、私たちに必要なのは「エンパシー」なのだという意見には共感しました。
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source : 文藝春秋 2020年11月号