読者からのお便り 2021年12月号

三人の卓子

ニュース オピニオン

カンフル剤たる矢野論文

 本誌11月号に寄せられた矢野康治財務事務次官の「財務次官、モノ申す」を読んだ。

 バラマキ政策批判の論文だが、本意は財政の健全化にあり、至極まっとうな主張である。

 10年ほど前だろうか。ネットで初めて「借金時計」を閲覧し、衝撃を受けたのを思い出す。万の位の数字が目まぐるしく動き、何百兆もの借金がどんどん増えていく。一刻も早く対策を取るべきだと本気で思ったのだ。

 だが私が心配するほどには、政治家も財務省も気にしていないようだった。機動的な財政出動とかで、景気対策に湯水のごとく国債を充当した。借金への懸念の声はほとんど聞いた覚えがない。末端の民ひとりが心配することではない、と割り切ることにした。

 そこへ矢野氏の論文だ。とうに捨てたと思っていた財政健全化マインドを財務官僚がまだ有していたことに驚き、ホッとした。

 近年、MMT(現代貨幣理論)が登場し、国債発行を是認する意見もある。

 が、経済に疎い私にはよく分からない。半信半疑の理論に日本の将来を委ねる気にはなれない。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2021年12月号

genre : ニュース オピニオン