反省の上の新総理を
10月号の「正面からお答えします」は、内閣総理大臣と自民党総裁の退任を表明した菅義偉首相のインタビューだった。不祥事などの理由からか、退任に当たり、きちんと後片付けをしていく人は少ない。そのような意味で菅首相は評価すべき人物なのかもしれない。
とはいえ、「政治家は言葉で勝負する」と言われる通り、国民に対して日頃からきちんと説明責任を果たすべきである。聞き手の船橋洋一氏は菅首相の会見が、「言葉が響かない」「聞かれたことに答えていない」ことを指摘していた。
対して、「『弁舌よりも結果だ』と。結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で今までずっと来た」と弁明したが、これでは国民は納得できないのではないか。
緊急事態宣言発出については「悩み悩みやってきた」と述べ、試行錯誤だった様子がわかる。しかし、菅首相の政治姿勢は、安倍前政権と同じ流れにあり、やはり、国民とともに歩むという姿勢がかなり希薄だったことも改めて明らかになってきた。
今、自民党では菅総裁の後継者を選ぶ総裁選挙が実質スタートしている。二代の政権の反省の上に立った、新たな総理大臣を選んでほしいと心から願っている。(大澤尚)
60年前の「寄合」
10月号、乃南アサ氏の「張本さん、河村市長を笑えますか」の記事に触れ、60年前の口惜しさがよみがえった。
昭和36年のこと。私と家族は東京から畑作地の多いA市郊外に引っ越してきた。
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source : 文藝春秋 2021年11月号