財政規律について考える
11月号の矢野論文で国家財政は破綻するとの指摘に、12月号の「『矢野論文』大論争!」で浜田宏一教授による、GDP比1000%でも大丈夫との反論がありました。
国の借金としての国債発行額等の一般政府債務残高に対するGDPの比率が250%強である我が国の財政状況は、他の先進国と比べて突出して大きいと言われていますが、危機意識を表明した財務次官の懸念は杞憂であると言わんばかりの反論を読んで、複雑な思いに至りました。
我々国民からみて、プライマリーバランス黒字化、財政規律の遵守は財政政策の方針 として標榜してもらいたいと思っています。
反論のなかでMMT(現代貨幣理論)を拠りどころとして財政破綻しないとの主張があります。浜田宏一教授の主張の中にも、国の国債発行等による借金も海外債務とインフレリスクを管理していればという条件付きでできると言っています。
また別の専門家は「いくつもの制約と仮定のもとに成り立つ恒等式にすぎないうえ、金利が十分に低くとも元本が増えれば財政の悪化に歯止めはかからない」とも言っています。
しかし、MMTの内容がいまいち我々には判りにくいのです。
どのような条件なら可能なのか、上記のようにインフレリスクの管理が条件としても、この数年間インフレ率をコントロール出来ていないことを考えると、そのような条件の実現の可能性など専門家の見解を判りやすく貴誌で展開してもらいたいです。
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source : 文藝春秋 2022年1月号