月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。順風満帆の「ASA」政権。脇の甘い実力者をコントロールできるか。
「私はかつて病のために職を辞し、大きな政治的挫折を経験した人間です。国家のかじ取りをつかさどる重責を改めてお引き受けするからには、過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯に国政運営にあたっていくことを誓います」
1月28日午後、衆院本会議。首相・安倍晋三が演壇から所信表明演説を行った。安倍が国会で演説をするのは2007年9月10日以来。この日も首相として所信表明したが、わずか2日後に政権を投げ出してしまった。安倍にとって今回の所信表明はリベンジの舞台だった。
演説は「安倍らしさ」がない。中国、韓国などを敵視する勇ましさは影を潜め、憲法改正も訴えない。安全運転の内容だ。とかくニュースを発信することに固執し、批判されるとムキになって反論していた一度目の首相の時の「反省と教訓」が安倍を変化させている。
こんな安倍に世論は好意的だ。共同通信社が27日に発表した世論調査で内閣支持率は66.7%。6年前、失望した有権者は、当時より成長したと評価しているのだろう。
安倍も国民から「1回目と同じ」と思われた時は、終わりだと自覚している。安倍は昨年大みそかの夜、経済再生担当相・甘利明ら、頼りにする閣僚にメールを送った。
「不可能と思われた2回目の首相を担当することになりました。命がけでやります」という決意表明だった。受け取った閣僚は、安倍の決意を感じ「全力で支えます」などと返している。
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source : 文藝春秋 2013年3月号