小英国主義と小日本主義

新世界地政学 第47回

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 中国が主導し、米国が不参加のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対して、日本と英国はまったく異なった対応をしている。

 英国は、AIIBに加盟することをG7の国々では抜け駆け的に発表し、米国を袖にした。米政府には1日ほど前にお義理で事前通告をした。

 米政府部内には、英国に対する憤りの声がいまなお聞かれる。

「副総裁のポストやシティー(金融街)での人民元の起債の扱いなど中国に鼻薬を嗅がされ、豹変した。これは地政学的買収だ。英国がその程度の国なら、どうぞご随意に」

 高官の1人は苦々しげに私に語った。

 一方、日本は、米国とお神酒徳利のようにわが身を結んでしまい、いまのところ加盟に動き出す気配はない。

 日本には、米国が日本の頭越しにある日、中国と手を握るのではないかと不安に思っている向きもある。米国はそれは決してないと保証している。

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source : 文藝春秋 2015年7月号

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