月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。戦慄の財務省、冴えぬ野党。18年まで続く「絶対王政」は実現するか。
2018年末まで4年間続く「安倍絶対王政」を認めるのか、否か。これこそが今回選挙戦の真の争点である。
衆院が解散された翌日、11月22日から24日までの3連休。自民党総裁、首相・安倍晋三はメディア対応や長野県北部地震の対応に勤しみ、街頭には出なかった。
野党は出遅れ、過去2回の総選挙とは違って政権交代の可能性は絶無なことが、永田町に弛緩した空気を生んでいる。
野党を焦らせた「電撃師走選挙」はいつ、軌道に乗ったのか。発端は前経済産業相・小渕優子、前法相・松島みどりのダブル辞任だった。
10月19日午後、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。安倍は、官房長官・菅義偉と約2時間、二人のスキャンダルについて収拾策を話し合い、その中で「年内解散で難局を打開してはどうか」という案が急浮上した。菅はその場で、得意とする世論調査で感触を探ると約束した。
そして翌週の10月25、26両日に実施した極秘調査の結果は、小渕と松島のダブル辞任と野党の攻勢にもかかわらず「自民党は過半数確保、公明党は現状維持、民主党は伸び悩み」と出た。「スキャンダル国会を仕掛けてくる民主党に目にものみせる」。安倍、菅の意見は一致した。相前後して安倍は外交当局に「12月は外交日程を入れないように」と指示を出した。
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source : 文藝春秋 2015年1月号