〈凝っては思案にあたわず、凝らずんばその道を得ず〉の教え通り、野球、釣り、勝負事……どれも痛い思いをして自分の体で覚えてきたけれど、ゴルフばっかりはいくら体当たりしても上手くならない。
先生にもついた。
マーク金井さんの教えは、ゴルフをしているものからすれば、およそ奇抜で常識を逸脱している。「練習場に行くな、ボール見るな、体廻すな。型だけちゃんとしてりゃあ、球は飛ぶ」
教えられた通りやったら、フォームは見違えるようによくなった。
でも結果は同じ。フォームだけ一人前で、球がとんでもない方向に飛んでいくからかえって格好が悪い。
ある時ふっと気がついた。「明確にボールのコースをイメージしなきゃダメなんだ。あのへんじゃなくて、ここに打つ、と心に決めなきゃいけない」
そうしたら多少はまともになったけれど、そのイメージを作るのに、2分も3分もかかる。グリーンの上でひたすらたたずんでいる姿は、他人に恐怖感を与えるらしい……。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2009年10月号