レカネマブを開発したのは日本の製薬会社だった!
エーザイが開発したアルツハイマー病の疾患修飾薬「レカネマブ」が米国のFDA(食品医薬品局)によって完全承認され、65歳以上の公的保険であるメディケアへの収載も始まる。
今後、この薬は、日本では9月末までに、欧州では今年度中に、そして2024年には中国など他の国々でも承認されていくことになる。
疾患修飾薬というのは、病気の進行に直接働きかけるという意味だ。アルツハイマー病の薬はこれまで症状を一定期間やわらげる対症療法薬しかなかった。
ドイツの医学者アロイス・アルツハイマーがこの病気を発見してから117年、この快挙をなしとげたのは、日本の製薬会社エーザイだった。
エーザイは、世界ランキングで言えば、1位のファイザーの10分の1以下の売上しかない。その小さな日本の製薬会社が、なぜ、ファイザーなど欧米のビッグファーマですら、「リスクが大きすぎる」と次々に撤退した抗アルツハイマー病薬で大きなブレークスルーをなしとげたのか?
2002年から20年以上にわたって、アルツハイマー病の研究について取材をし『アルツハイマー征服』(文庫版8月末発売)で、「レカネマブ」の開発までの人類117年のアルツハイマー病との闘いの歴史をまとめた筆者が、この薬の意味とともに、その理由を考察するというのがこの原稿のテーマである。
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source : 文藝春秋 2023年8月号