一に食事、二に運動、三に生活習慣
高齢者の5人に1人が認知症になる――。
厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症の患者が全国で700万人に上るとの推計を発表しています。
これだけでも驚くべき数字ですが、現在、認知症の予備軍である軽度認知障害(MCI)は400万人以上いるとされます。診断基準では、日常生活に支障さえなければ認知症ではなくMCIと診断されますが、認知機能に「問題あり」なのは同じ。MCIの6割は、3年以内に認知症を発症するといわれています。
近い将来、予備軍を含めた認知症患者は1000万人を超えるでしょう。認知症はいまや新たな国民病になっているのです。
私はただ統計上の数字だけで危機感を煽っているのではありません。私を含め、認知症治療の最前線で働く医師は誰しも、日本人の認知機能の低下に日々、直面しています。
最近、ある製薬会社から認知症を予防するサプリメントの開発に協力して欲しいと依頼を受けました。調査の対象となるのは健康な人に限られますから、参加者150人の脳のMRI画像に異常がないかチェックして欲しいという。担当者からは「物忘れの自覚症状はあるが、認知症とは診断されていない人たちだ」と説明を受けました。ところが、参加者全員分の画像をチェックしてみると、正常な脳を持つ人は2人しかいませんでした。残りの148人は、萎縮など、脳に何らかの病変を抱えていたのです。
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source : 文藝春秋 2019年7月号