地政学リテラシー7箇条

新世界地政学 最終回

ニュース 社会 国際 中国 ロシア
 

 ウクライナ戦争に続いて、中東で戦闘が始まった。ハマスのイスラエルに対する無差別攻撃に対してイスラエルは報復を始めた。イスラエルとサウジアラビアの関係正常化は大きく後退するだろう。パレスチナを無視し、イランをただ敵視する中東和平は持続しない。

 12年半続けてきた「新世界地政学」の最終回を、このような凄惨な国際政治の状況を前に迎えることになろうとは思ってもいなかった。

 いま必要なのは、地政学的なリテラシーである。人間社会にあって変えられないことと変えることができることを区別すること、そして、過去の国々の行動の成功と失敗から学び、それを現在の挑戦に応えるべく活かすことである。

 以下、地政学リテラシーの7箇条を記したい。

 1.国際システムは、自己保存だけを考える赤裸々な国家を単位とする本来的にアナーキーであり、弱肉強食の世界である。

「中国は大国だ。あなた方は小国だ。それは厳然たる事実だ」

 2010年7月、楊潔篪中国外相(当時)がASEAN地域フォーラム(ARF)外相会談でASEANの外相たちをにらみつけて吐いたこの言葉が、2010年代に始まった「危機の20年」の時代の幕開けを告げた。そのことをまず、認識する必要がある。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

「文藝春秋電子版」は雑誌付きプランが断然お得!! 電子版分は実質無料 今すぐお申し込み

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年12月号

genre : ニュース 社会 国際 中国 ロシア